結論:濃厚流動食は未開封のまま冷暗所で約180日、開封後は冷蔵で5日以内に使用すれば安全です。保存容器や温度管理に気を付けるだけで、栄養価と風味を長く保てます。
濃厚流動食の基本情報
濃厚流動食は、嚥下(えんげ)機能が低下した高齢者や介護が必要な方を対象とした液体タイプの介護食です。主に米や小麦粉をベースに、たんぱく質源(大豆たんぱく、乳たんぱくなど)とビタミン・ミネラルがバランス良く配合されています。
- エネルギー:100gあたり約68kcal
- たんぱく質:2〜3g程度
- 脂質・炭水化物:エネルギーの約60%を占める
- 保存性:加熱殺菌・真空包装が施された加工食品
賞味期限と消費期限の違いと目安
「賞味期限」は風味や食感が最も良い期間を示し、未開封の状態であればこの期間内に食べることが推奨されます。一方「消費期限」は、食品の安全性が確保できる最終日です。濃厚流動食は加工食品のため、メーカーは通常「賞味期限」だけを表示しますが、開封後は速やかに冷蔵し、5日以内に消費することが安全基準とされています。
保存方法の詳細
常温(室温)保存
未開封のパックは直射日光や高温を避け、15〜25℃の涼しい場所で保管してください。開封後は常温に放置すると細菌増殖が進むため、2時間以内に冷蔵へ移すのが目安です。
冷蔵保存
開封後は必ず密閉容器に移し、冷蔵(0〜5℃)で保管します。目安は5日以内の使用です。長期間保存したい場合は、冷凍保存を検討してください。
冷凍保存
濃厚流動食は凍結しても栄養価は大きく変わりませんが、食感が変化しやすい点に注意が必要です。冷凍(-18℃以下)で保存できる期間は約1か月が目安です。解凍は冷蔵で自然解凍し、再冷凍は避けてください。
保存容器や包装のおすすめ
- 開封後は密閉できるプラスチック容器(PP製)やジッパー付き保存バッグを使用
- 空気をできるだけ抜いて真空状態に近づけると腐敗リスクが低減
- 小分けにして冷凍する場合は、1回分ずつラップで包んでから保存すると解凍時に便利
季節別の注意点
- 夏季:高温になると細菌増殖が早まるため、開封後は特に早めに冷蔵し、2日以内の使用を目安にしてください。
- 冬季:室温が低くなるため、未開封のままでも常温保存が比較的安全ですが、凍結しないように注意が必要です。
まとめ
濃厚流動食は未開封で約180日(6か月)保存可能です。開封後は必ず冷蔵し、5日以内に使用することが安全です。保存容器は密閉できるものを選び、季節に応じた温度管理を徹底すれば、栄養と風味を長く保てます。