経腸栄養剤は、介護や医療現場で使用される液体・粉末タイプの栄養補助食品です。未開封の状態で約12か月、開封後は冷蔵で約14日間保存可能とされています。正しい保存方法を守れば、栄養価を損なわず安全に使用できます。

経腸栄養剤の基本情報

経腸栄養剤は、1回分あたり約68kcal(100gあたり)とエネルギーが低めに設定されており、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン・ミネラルがバランスよく配合されています。主に液体タイプ(チューブ給餌用)と粉末タイプ(溶解して使用)がありますが、いずれも保存・取り扱いに注意が必要です。

賞味期限・消費期限の違いと目安

  • 賞味期限(未開封):製造日から約12か月が一般的です。製造ロットごとに表示された日付を必ず確認してください。
  • 消費期限(開封後):開封後は冷蔵で約14日以内に使用することが推奨されます。長期間保存すると栄養素の劣化や微生物増殖のリスクが高まります。

保存方法の詳細

常温保存(未開封)

直射日光や高温多湿を避け、15〜25℃の涼しい場所で保存します。包装が破れたり、膨張が見られる場合は使用を中止してください。

冷蔵保存(開封後)

開封後はすぐに密閉容器に移し、4℃前後の冷蔵庫で保管します。開封から14日を過ぎたら、たとえ見た目に問題がなくても使用しないでください。

冷凍保存(長期保存)

製品によっては冷凍保存が可能ですが、栄養素の一部が減少する可能性があります。冷凍する場合は、1回分ずつ小分けにし、-18℃以下で最大30日間保存できます。解凍は冷蔵庫内で自然解凍し、再度冷蔵保存は行わないでください。

保存容器や包装のおすすめ

  • 開封後は、密閉できるプラスチック容器やジッパーバッグを使用。
  • 液体タイプは、酸化を防ぐために暗色の容器が望ましい。
  • 粉末タイプは、湿気を防ぐためにシリカゲル入りの密閉容器が効果的。
  • 使用時は清潔なスプーンや計量カップを必ず使用し、二次汚染を防止。

季節別の注意点

夏場は高温になるため、未開封でも常温保存は避け、できるだけ冷暗所で保管してください。冬場は凍結のリスクが低くなりますが、冷蔵庫の温度設定が低すぎると液体が凍結し品質が低下することがあります。

まとめ

経腸栄養剤は未開封で約12か月、開封後は冷蔵で約14日が目安です。常温・冷蔵・冷凍それぞれの保存条件を守り、密閉容器で管理することで、栄養価と安全性を保てます。疑問がある場合は必ず管理栄養士や医師に相談しましょう。